概要
7sProという60%レイアウトのキーボードを使っていたのだが、最近ついに40%でも十分なのでは?と思うようになったのと、トラックボール一体型にしたくなったので、Keyball44を購入した。
なので、感想とか若干のビルドログとかを書いてみた。
成果物
かっこいい!
あと、40%まで来たらキーキャップの刻印は不要だろうと思い、せっかくなので無刻印にしてみた。
感想
総評
少し気になるところもあるが、買ってよかった!
数字キーの列やマウスに手を伸ばさなくてもよくなったのは本当に快適。
詳細
良かったところ
マウスが不要になった。
親指のキー5つはロープロファイルにもできるし、ノーマルプロファイルにもできる。
- ロープロファイル用のキーソケットとノーマルプロファイル用のキーソケットの両方をはんだ付けしていいので、やっぱりローからノーマルに変えたくなったときや、その逆のときに気軽に変えられる。
- ただし、ミドルプレートを付けたり外したりする必要はある。
スタビライザーが必要なキーがないので、ルブとか気にしなくて良い。
- (そもそも40%キーボードだとないのが多いのかな?)
カラムスタッガードなので、小指の運指がやりやすい。
40%キーボードならではの部分
60%キーボードと比べても、かなりコンパクトになった。
- 75%キーボードから60%キーボードに移行したときも小さいと思ったが、Keyball44は手のひらサイズくらいだと思う。
ホームポジションを大きく崩さなくて良い。
- やっぱり数字キーがなくなったことは大きい。
数字キーがなくなるので、テンキー配置にしてみたら、数字の打ち間違いが減った。
- もともと自分は数字キーを打つのが苦手だったが、テンキー配置だと打ちやすくなった。
慣れるまでに頑張らないといけないと思うところ
キーマップが決められない。
- 60%キーボートとかと比べ、数字キーがなくなったり、右側の縦1列がなくなるなどしたので、その分のキーマップ決めにしばらく悩んだ。
- 特にマウスレイヤの配置に悩んだ。
キーボード自体の配置に悩む。結局元の位置に落ち着いた。カラムスタッガードに慣れないといけない。
上記以外は意外とそこまでスイッチングコストは高くなかった。
個人的に気になるところ
剛性が気になる。
- タイプするキーにもよるが、ミドルPCBやプレートが少したわむ感じがして、特にOLED付近のキーをタイプするときはちょっと不安があった。
ただ、以下のようにミドルPCBとボトムプレートの間にゴム足を噛ましたら、ほとんど気にならなくなった。
Keyballだからというわけでもないとは思うし、もしかしたら自分だけかもなのだが、(一部の?)USB切替器による切り替えができない。
- 切り替えると無反応になるが、原因はわからないし、大きく困ってはいないので調べてもいない。
少なくとも、自分が持っている以下のUSB切替器では切り替えられなかった。 amzn.asia
ちなみに、前に使っていた7sProでは切り替えられる。
トラックボール横のキーの用途に迷う。
- 以下の赤い丸部分のキーは個人的に押しづらい位置なので、その用途に迷う。(今のところ使っていない)
若干のビルドログ
はんだ付けに夢中で、細かいログは残していないが、ところどころの内容や、個人的に気になったポイントを書いてみた。
作業時間
約5時間
下調べ1時間 + 組み立て4時間といった感じ。
※ 自分は、はんだ付け初心者なので、慣れている人だったらもう少し早いと思う。
※ LEDのはんだ付けはしていない。
参考費用
この記事で紹介しているのと同じものを全てイチから揃えた場合
合計: 64,224円
- 必需品: 41,322円
- 道具・オプション: 22,902円
個人的に既に持っていたものを除いた場合
合計: 55,607円
- 必需品: 35,932円
- 道具・オプション: 19,675円
内訳
必需品
購入先 | アイテム | 用途 | 価格 (税込) |
---|---|---|---|
遊舎工房ショップ | 【委託】Keyball44 | - | 24,800 |
Gateron KS-9 Silent 2.0 Switch Set Black - (35pcs) を2セット | - | 5,390 ※既に持っているため実際は0円 | |
Pro Micro Type-C版 を2個 | - | 2,640 | |
送料 | - | 550 | |
Amazon | 3.5mm TRRSケーブル | 左右のキーボードを接続 | 799 |
Type-C用のマグネット充電ケーブル | PCとの接続 | 1,039 | |
ぺリックス トラックボール(ブルー) | - | 1,999 | |
エディオンネットショップ | FILCO Majestouch交換用 PBT無刻印キーキャップセット 英語104キー ブラック FKCS104BBT | - | 4,105 |
道具・オプション
購入先 | アイテム | 用途 | 価格 (税込) |
---|---|---|---|
遊舎工房ショップ | キーボードアクリルプレート Keyball44 トッププレート 右ボール - 2mm マットブラック | トッププレートを黒色にしたいため | 3,250 |
なべ小ねじ 黒 M2 3.5mm 10個 を4セット | トッププレートを黒色にするためそれに合うように | 880 | |
送料 | - | 0 ※上記の必需品と同時注文のため | |
メルカリ | キーキャップ | おしゃれ用 | 2,500 ※既に持っているため実際は0円 |
Amazon | ダイヤル式温度制御はんだこて | - | 4,073 |
こて台 | - | 1,927 | |
こて先 | - | 509 | |
精密プリント基板用 鉛入りはんだ φ0.8mm+はんだ用ブローケース | - | 476 | |
はんだ吸取線 | - | 503 | |
半田マット | - | 750 | |
先曲がりピンセット | 主にダイオードをつまむ用 | 713 | |
逆作用ピンセット | 主にはんだ吸取線をつまむ用 | 776 | |
フラックス ペンタイプ | - | 689 | |
フラックスリムーバー ペンタイプ | - | 1,259 | |
エポキシ系接着剤 | ProMicroのもげ防止 | 727 ※既に持っているため実際は0円 | |
BOOTH | トラックボールケース-V1(右) - マットブラック | 全体的に黒色にしたいため | 3,000 (2,900 + 100) |
送料 | - | 540 | |
百均 | デザインナイフ | アクリルプレートのシール剥がし | 110 |
ゴム足 (細長いやつ) | PCBの補強 | 110 | |
ゴム足 (高さがあるやつ) | キーボードの傾斜用 | 110 |
ここには書いていないが、他に組み立てに必要なものとしてはドライバーとマスキングテープくらい。(キーボードに関係なく、もともと持っていたのと、安価なので今回は費用に計上していない)
フラックス類はあると安心かなと思うくらいで、なくてもよかったかもしれない。
今回購入したProMicroはType-C版なので、エポキシ系接着剤はなくてもよかったかもしれないが、一応使った。
今回使ったキーキャップは、一番安そうだったエディオンネットショップで注文した。
- 取り寄せが必要だったので、注文〜受取まで1週間くらいかかった。
- ちなみに、注文してから4日くらい経っても特に動きがなかったので、取り寄せ時期や発送時期の目安が知りたく問い合わせてみたら、メーカーからの入庫まであと数日はかかるとのことだったが、その日に発送されたのが少し謎だった。
組み立てる前に
はんだ付けの練習
今回、Keyball44を作るにあたり、はんだ付けをうまくできる自信が全然なかったので、練習をするために遊舎工房さんの「ゆる部」というグループのイベント(不定期?)に参加してみようと思った。
(はんだ付けは中学生のときに授業で数回経験したことがあるだけなのと、それも10数年前のことなので、はんだ付けをすることに全然自信がなかった)
自分で練習用キットを買って、YouTubeなどで勉強するのもいいかもしれないが、自分は出不精なのもあり、せっかくなので勇気を出して申し込んでみたw
自分が参加したのは、「マクロパッドPolePole6キット」を組み立てるイベントで、ProMicro、リードタイプのダイオード、タクトスイッチ、キースイッチ、ロータリーエンコーダのはんだ付けを体験することができた。
(ちなみに、Keyball44はSMDタイプのダイオードなので、リードタイプとは別に練習しておいてもいいかもしれない)
イベントでは、スタッフの方々に優しく教えていただけるし、他の参加者の方々とも少しお話ができて、とても満足だった。
いつか別のイベントにも参加してみたい。
ネットでの下調べ
ぎゅっとまとめると1時間くらいな気がするが、ことあるごとに、公式のビルドガイドや、いろんな記事や動画を見ていたので、本当はもうちょっと時間をかけていたかもしれない。
はんだや自作キーボードに慣れている人ならビルドガイドだけでも十分だと思った。
慣れていない人は、もうちょっと詳しく知りたいなと思う作業箇所を上記で紹介した動画で補足する感じがいいと思う。
特に、ダイオードのはんだ付けは難しかったので、動画でも予習するのがおすすめ。
基本的に参考にしたのは以下。
公式のビルドガイド
参考にさせていただいた組み立て動画
内容物の確認
不足はなく、逆に、ダイオードやキーソケットなどは数個多めに入っていてありがたかった。
必要最低限の道具
今回、Keyball44を組み立てるにあたり、自分は以下だけで充分だと思った。
- 作業マット
- はんだごて
- こて台 (クリーニングワイヤー付き)
はんだ
- ちなみに以下の写真のようにそれなりの量が減った気がする。(使用前は白い部分が見えなかった)
先曲がりピンセット
- (上記写真にはないが) マスキングテープ
あると安心だがなくてもよさそうなもの
はんだ吸い取り線
- 今回は全く使わなくてもいけた。
逆作用ピンセット
- はんだ吸い取り線用に用意したが、今回は使わなかった。
フラックス
- ダイオードのはんだ付けのときに試しに使ってみたが、別になくてもいいと思った。
フラックスクリーナー
組み立て
当たり前だが、基本的に公式のビルドガイドを見ればできた。
ただ、やっぱりダイオードのはんだ付けが難しく、動画を参考にしたりしたが、自分の今の腕では下手くそな結果になってしまった。
特に、予備はんだにダイオードを付けるのが難しく、けっこう苦労した。
あと、ちょっと難しいかもと思ったのはジャンパのときで、うまくはんだがのらずに何回かやり直した。
ダイオードとジャンパさえ済んでしまえば、あとは特に難しくはなかったと思う。
(事前に遊舎工房さんのイベントで練習させていただいたおかげである)
その他で強いて言うなら、TRRSソケットを基盤に差し込むときが少し固く、若干差し込みにくかった。
軽く差し込むだけだと基盤とソケットの間に隙間があることに気づいたので、ちゃんと以下の写真のように隙間ができないように差し込む必要があるが、少し固かった気がする。
(ちなみに上記の写真は全てのはんだ付けが終わった後に撮ったもの)
はんだ付けの結果
親指のキー5つはロープロファイルにしてみた。
※ 後述するが、後でノーマルプロファイル用のキーソケットも取り付け、両方いけるようにした。
右手側の部分
左手側の部分
テスト用ファームウェア書き込み後のキーの反応確認
ProMicroにテスト用ファームウェアを書き込んだ後、各種キーがちゃんと反応するか試すときに、ビルドガイドだと表面からショートさせて確認されているように見えるのだが、自分の場合は表面からだと全然反応せずに焦った。
でも、参考にした組み立て動画では、以下のように裏面からショートさせていたので、真似してやってみたら、ちゃんと反応したので良かった。
ゴム足の取り付け
付属品のゴム足10個を以下のように取り付けてみた。
あと、少し傾斜をつけたかったので、少し高さのあるゴム足(百均)を5個、赤い丸の部分のように追加でつけてみた。
右手側の部分
左手側の部分
その他
親指部分のキーについて
最初は親指のキー5つはロープロファイルにしてみたのだが、自分にはあまり合わなかった(他のキーと高さが違うとなんか合わなかった)ので、後から以下のようにノーマルプロファイル用のキーソケットもはんだ付けしてみた。
ロープロファイル用とノーマルプロファイル用のキーソケットが両方取り付けられた状態になるが、特に問題なく動作するのでありがたかった。
ミドルPCBの振動について
完成後、OLED付近のキーをタイプするときに、ミドルPCBが振動する感じがした。
気になっていろいろ確認していたら、ProMicroのコンスルーピンが奥まで刺さりきっていなかったことに気づき、ちゃんと差し込んだら振動しなくなった。
さいごに
Keyball44は本当にすばらしいキーボードだと思ったし、これから使い込んでいきたい。
あと、はんだ付けをしていると、時間を忘れてのめり込んでしまうほど楽しかったので、他にもキーボードを作ってみたいと思ってしまった。